ユーザマニュアル¶
コンテンツ
MR3 のアーキテクチャ¶
図 14 にMR3 の実装アーキテクチャを示す.MR3 はGUIコンポーネントとしてJava Swingを用いて,Java言語で実装を行った. MR3 は,RDFおよびRDFSデータグラフを視覚化するためにJGraphライブラリを用いている.図 14 のグラフィカルモデラの実装にはJGraphを用いている.また,MR3 は,セマンティックWeb コンテンツ(RDF,RDFS,OWLコンテンツ)のインポート,編集,エクスポートを行うために,Apache Jenaを用いている.パーサとジェネレータの実装にはJena APIを用いている.他のセマンティックWebアプリケーションと連携を行うことができるように, MR3 はプラグイン機構を備えている.MR3 はプラグイン開発のために主に2 種類のAPI を提供している.一つは,MR3 のデータグラフをJenaのモデルオブジェクトに変換するAPIであり,もう一つは,JenaのモデルオブジェクトをMR3 のデータグラフに変換するAPIである.これらのAPIを用いることで, MR3 で構築したRDFおよびRDFSコンテンツを別のセマンティックWeb アプリケーションに入力することや,逆に他のセマンティックWeb アプリケーションの出力をMR3 に入力することが可能となる.
MR3 のシステム構成図¶
図 15 にMR3 のシステム構成を示す. MR3 は,パーサモジュール,ジェネレータモジュール,RDF(S)コンテンツ管理モジュール,プラグイン,ユーザインタフェースから構成される.ユーザインタフェースには,プラグインインタフェースおよびグラフィカルモデラがあり,ユーザはグラフィカルモデラを介して,RDFおよびRDFSコンテンツを視覚的に編集することができる.また,ユーザは,プラグインインタフェースより,プラグインの機能にアクセスすることができる. MR3 の入力と出力はRDF(S)文書である.パーサはRDF(S)文書を解析して,Jena のモデルオブジェクトに変換し,その後,RDF(S)コンテンツ管理を行うことができるようにMR3 の内部データに変換する.ジェネレータは, MR3 の内部データをJena のモデルオブジェクトに変換し,その後,RDF(S)文書に変換する
MR3 の画面構成¶
図 16 にMR3 のグラフィカルモデラのスクリーンショットを示す.グラフィカルモデラは,RDFエディタ,クラスエディタ,プロパティエディタ,アトリビュートダイアログ,名前空間テーブル,削除ダイアログ,リソース検索ダイアログ,インポートダイアログ,エクスポートダイアログ,設定ダイアログから構成される.
RDFエディタ¶
RDFエディタでは,RDFリソース,RDFリソースのタイプ,RDFプロパティ,RDFリテラルの編集を行う.図 17 に示すように,RDFリソースは楕円,RDFプロパティは矢印,RDFリテラルは矩形でRDFエディタ内に表示される.RDFリソースのタイプはRDFリソースの右上に表示される.
RDFエディタのツールバー¶
以下にRDFエディタのツールバーにおけるアイコンと対応する機能を示す.
アイコン | 機能 |
---|---|
ノードを移動する | |
ノードとノードを矢印で接続する | |
RDFノードを選択時に,対応するRDFSノードを選択する状態 | |
RDFノードを選択時に,対応するRDFSノードを選択しない状態 | |
RDFリソースを挿入する | |
RDFリテラルを挿入する | |
アンドゥ | |
リドゥ | |
ノードをコピーする | |
ノードをカットする | |
ノードをペーストする | |
ノードを削除する | |
リソース検索ダイアログを表示する | |
標準の倍率にする | |
拡大する | |
縮小する | |
全体が表示できる倍率にする | |
ノードのグループ化 | |
ノードのグループ化解除 | |
RDFグラフの自動整列を実行 |
RDFエディタのポップアップメニュー¶
RDFエディタ内で,右クリックするとポップアップメニューが表示される.ポップアップメニューは,ノードを選択している場合としていない場合で表示内容が異なる.
図 18 にノードが選択されていない状態のRDFエディタ内で表示されるポップアップメニューのスクリーンショットを示す. 図 19 にノードが選択された状態のRDFエディタ内で表示されるポップアップメニューのスクリーンショットを示す.
各メニューの説明は以下のとおりである.
- RDFリソースの挿入
- マウスの右クリックで指定した位置にRDFリソースを挿入する.
- リテラルの挿入
- マウスの右クリックで指定した位置にリテラルを挿入する.
- 接続モード
- 接続モードにきりかえる.接続モードでRDFリソースから別のRDFリソースまたは,RDFリテラルにドラッグ&ドロップを行うと,リソース間をプロパティで接続することができる.
- RDFからクラスへ変換
- RDFリソースをRDFSクラスに変換する.
- RDFからプロパティへ変換
- RDFリソースをRDFSプロパティに変換する.
- コピー
- RDFリソース,プロパティ,リテラルをコピーする.
- カット
- RDFリソース,プロパティ,リテラルをカットする.
- ペースト
- RDFリソース,プロパティ,リテラルをペーストする.
- 削除
- RDFリソース,プロパティ,リテラルを削除する.
- アトリビュートダイアログを表示
- アトリビュートダイアログを表示する
RDFリソースの属性編集¶
RDFエディタ内のRDFリソースを選択すると,アトリビュートダイアログにRDFリソースの属性が表示される( 図 20 から 図 27 ).RDFリソースの属性編集では,RDFリソースのURI,RDFリソースのタイプ,RDFリソースが空白ノード(blank node) かどうかの選択,RDFリソースのラベルおよびコメントを編集することができる.ここで,空白ノードとは,URI により名前付けしないRDFリソースを表す.空白ノードは外部から参照することはできない.しかし,ステートメントにおける主語または目的語になることができ,URI により名前付けしにくいRDFリソースを記述したり,複数のRDFプロパティを構造化したRDFコンテンツを表現するために用いられる.
RDFリソースのURI を設定したい場合には, 図 20 に示すように,アトリビュートダイアログ左側の一覧から「URI」を選択する.「接頭辞」コンボボックスには,名前空間テーブルに登録されている名前空間接頭辞の一覧が表示される.「接頭辞」コンボボックスから名前空間接頭辞を選択すると,対応する名前空間が「RDFリソース」テキストフィールドに出力される.ユーザは,「RDFリソース」テキストフィールドに設定したいRDFリソースのURI を入力する.RDFリソースを空白ノードとしたい場合には,「ブランク」チェックボックスにチェックをいれる.
RDFリソースのタイプを設定したい場合には, 図 21 に示すように,アトリビュートダイアログ左側の一覧から「タイプ」を選択する.RDFリソースタイプを入力するには,「タイプ」チェックボックスをチェックする.RDFリソースのタイプを空にするには,「タイプ」チェックボックスのチェックをはずす.「タイプ選択」ボタンをクリックすると, 図 22 に示す「RDFリソースタイプ選択」ダイアログが表示される.「RDFリソースタイプ選択」ダイアログには,クラスエディタで構築したクラス階層が表示される.RDFリソースのタイプとしたいクラスを選択すると,「RDFリソースタイプ選択」ダイアログのURI ラベルに,選択したクラスのURI が表示される.「了解」ボタンをクリックすると,アトリビュートダイアログの「接頭辞」コンボボックスと「リソースタイプID」テキストフィールドに,「RDFリソースタイプ選択」ダイアログで選択したURI が設定される.クラスエディタで定義されていないクラスのURI をRDFリソースのタイプとして入力した場合,RDF(S)コンテンツ管理機能が働き, 図 23 に示す「RDF(S)コンテンツ管理」ダイアログが表示される.RDF(S)コンテンツ管理ダイアログでは,RDFSクラス名の変更またはRDFSクラスの新規作成のどちらかをユーザは選択することができる.「ジャンプクラス」ボタンをクリックすると,そのRDFリソースのタイプと対応するクラスエディタ内のRDFSクラスへジャンプする.また,アトリビュートダイアログにそのRDFSクラスの属性が表示される.
RDFリソースに対して,rdfs:label プロパティを用いてRDFリソースのラベルを記述したい場合には, 図 24 に示すように,アトリビュートダイアログ左側の一覧から「ラベル」を選択する.「言語」テキストフィールドに言語を,「ラベル」テキストフィールドにラベルを入力し,「追加」ボタンを押すと,アトリビュートダイアログ中央のテーブルに言語とラベルが追加される.テーブルの行を選択し,「削除」ボタンを押すと選択したラベルを削除することができる.
RDFリソースに対して,rdfs:comment プロパティを用いてRDFリソースのコメントを記述したい場合には, 図 25 に示すように,アトリビュートダイアログ左側の一覧から「コメント」を選択する.「追加」ボタンを押すと,「コメント編集」ダイアログが表示される.「言語」テキストフィールドに言語を,「ラベル」テキストフィールドにラベルを入力し,「了解」ボタンを押すと,アトリビュートダイアログ中央のテーブルに言語とコメントが追加される.テーブルの行を選択し,「編集」ボタンを押すと「コメント編集」ダイアログが表示され,コメントを編集することができる.テーブルの行を選択し,「削除」ボタンを押すと選択したコメントを削除することができる.
RDFプロパティの属性編集¶
RDFエディタ内のRDFプロパティを選択すると,アトリビュートダイアログにRDFプロパティの属性が表示される( 図 26 ).RDFプロパティの属性編集では,RDFプロパティのURI を編集することができる.「コンテナ」チェックボックスにチェックをして,数値を入力するとrdf: 1…rdf: n プロパティの入力を行うことができる.「プロパティの接頭辞のみ表示」チェックボックスにチェックをいれると,プロパティエディタで定義されているプロパティがもつ名前空間URI に対応する名前空間接頭辞のみを「接頭辞」コンボボックスから選択可能となる.チェックをはずすと,名前空間テーブルに登録されているすべての接頭辞を選択可能となる.
プロパティエディタで定義されていないプロパティのURI を入力した場合,RDF(S)コンテンツ管理機能が働き, 図 23 に示す「RDF(S)コンテンツ管理」ダイアログが表示される.RDF(S)コンテンツ管理ダイアログでは,RDFSプロパティ名の変更またはRDFSプロパティの新規作成のどちらかをユーザは選択することができる.プロパティエディタ内で定義されているプロパティの中で,名前空間接頭辞に対応する名前空間URI をもつプロパティのID が「プロパティID」リストに表示される.「プロパティ」ボタンをクリックすると,選択したRDFプロパティに対応するプロパティエディタ内のRDFSプロパティにジャンプし,アトリビュートダイアログにそのRDFSプロパティの属性が表示される.
RDFリテラルの属性編集¶
RDFエディタ内のRDFリテラルを選択すると,アトリビュートダイアログにRDFリテラルの属性が表示される( 図 27 ).RDFリテラルの編集では,リテラルの内容,言語属性(xml:lang 属性),データタイプの編集を行うことができる.「リテラル」テキストエリアには,リテラルの内容を入力する.「言語」テキストフィールドには,リテラルの記述言語を入力する.リテラルのデータタイプを設定したい場合には,「タイプ」チェックボックスにチェックを入れて,「タイプ」コンボボックスからデータタイプを選択することができる.リテラルのデータタイプを必要としない場合には,「タイプ」チェックボックスのチェックをはずす.言語とリテラルのタイプは排他的であり,どちらか一方しか設定することはできない
クラスエディタ¶
クラスエディタでは,RDFSクラスの階層関係およびRDFSクラスの属性編集を行うことができる. 図 28 にクラスエディタのスクリーンショットを示す
クラスエディタのツールバー¶
以下にクラスエディタのツールバーにおけるアイコンと対応する機能を示す.
アイコン | 機能 |
---|---|
ノードを移動する | |
ノードとノードを矢印で接続する | |
RDFSクラスを挿入する | |
アンドゥ | |
リドゥ | |
ノードをコピーする | |
ノードをカットする | |
ノードをペーストする | |
ノードを削除する | |
リソース検索ダイアログを表示する | |
標準の倍率にする | |
拡大する | |
縮小する | |
全体が表示できる倍率にする | |
ノードのグループ化 | |
ノードのグループ化解除 | |
RDFSクラスグラフの自動整列を実行 |
クラスエディタのポップアップメニュー¶
クラスエディタ内で,右クリックするとポップアップメニューが表示される.ポップアップメニューは,ノードを選択している場合としていない場合で表示内容が異なる.
図 29 にノードが選択されていない状態のクラスエディタ内で表示されるポップアップメニューのスクリーンショットを示す. 図 30 にノードが選択された状態のクラスエディタ内で表示されるポップアップメニューのスクリーンショットを示す.
各メニューの説明は以下のとおりである.
- クラスの挿入
- マウスの右クリックで指定した場所にクラスを挿入する.他のクラスを選択した状態でクラスの挿入を行うと,選択したクラスのサブクラスとして,新規クラスが挿入される.
- 接続モード
- 接続モードに切り替える.下位クラスから上位クラスにドラッグ&ドロップをすることで,上位・下位関係を定義できる.
- クラスからRDFへ変換
- RDFSクラスからRDFリソースへ変換する.
- クラスからプロパティへ変換
- RDFSクラスからRDFSプロパティへ変換する.
- コピー
- クラスとクラス間の関係をコピーする.
- カット
- クラスとクラス間の関係をカットする.
- ペースト
- クラスとクラス間の関係をカットする.
- 削除
- クラスとクラス間の関係を削除する.
- アトリビュートダイアログを表示
- アトリビュートダイアログを表示する.
クラスエディタの属性編集¶
クラスエディタ内のRDFSクラスを選択すると,RDFSクラスの属性がアトリビュートダイアログに表示される( 図 31 から 図 33 ).アトリビュートダイアログ左側のリストから「基本」,「ラベル」,「コメント」,「インスタンス」,「上位クラス」項目を選択し,RDFSクラスの属性の編集を行う.「基本」では,リソースタイプおよびURI を編集することができる( 図 31 ).リソースタイプで選択できる項目は,「設定」ダイアログのクラスクラスリストから追加および削除を行うことができる.「ラベル」では,rdfs:label プロパティの編集を行うことができる.「コメント」では,rdfs:commentの編集を行うことができる.ラベルとコメントの編集方法は,RDFリソースと同様である.「インスタンス」には選択したRDFSクラスのインスタンスのリストが表示される( 図 32 ).リスト中の項目をクリックすると対応するRDFエディタ内のRDFリソースにジャンプし,そのRDFリソースの属性がアトリビュートダイアログに表示される.「上位クラス」には,選択したRDFSクラスの上位クラスのリストが表示される( 図 33 ).
プロパティエディタ¶
プロパティエディタでは,RDFS プロパティの階層関係およびRDFS プロパティの属性編集を行うことができる. 図 34 にプロパティエディタのスクリーンショットを示す.
プロパティエディタのツールバー¶
以下にプロパティエディタのツールバーにおけるアイコンと対応する機能を示す.
アイコン | 機能 |
---|---|
ノードを移動する | |
ノードとノードを矢印で接続する | |
RDFSプロパティを挿入する | |
アンドゥ | |
リドゥ | |
ノードをコピーする | |
ノードをカットする | |
ノードをペーストする | |
ノードを削除する | |
リソース検索ダイアログを表示する | |
標準の倍率にする | |
拡大する | |
縮小する | |
全体が表示できる倍率にする | |
ノードのグループ化 | |
ノードのグループ化解除 | |
RDFSプロパティグラフの自動整列を実行 |
プロパティエディタのポップアップメニュー¶
プロパティエディタ内で,右クリックするとポップアップメニューが表示される.ポップアップメニューは,ノードを選択している場合としていない場合で表示内容が異なる.
図 35 にノードが選択されていない状態のプロパティエディタ内で表示されるポップアップメニューのスクリーンショットを示す. 図 36 にノードが選択された状態のプロパティエディタ内で表示されるポップアップメニューのスクリーンショットを示す.
各メニューの説明は以下のとおりである.
- プロパティの挿入
- マウスの右クリックで指定した場所にプロパティを挿入する.他のクラスを選択した状態でプロパティの挿入を行うと,選択したプロパティのサブプロパティとして,新規プロパティが挿入される.
- 接続モード
- 接続モードに切り替える.下位プロパティから上位プロパティにドラッグ&ドロップをすることで,上位・下位関係を定義できる.
- プロパティからRDFへ変換
- RDFSプロパティからRDFリソースへ変換する.
- プロパティからクラスへ変換
- RDFSプロパティからRDFSクラスへ変換する.
- コピー
- プロパティとプロパティ間関係をコピーする.
- カット
- プロパティとプロパティ間関係をカットする.
- ペースト
- プロパティとプロパティ間関係をペーストする.
- 削除
- プロパティとプロパティ間関係を削除する.
- アトリビュートダイアログを表示
- アトリビュートダイアログを表示する.
プロパティエディタの属性編集¶
プロパティエディタ内のRDFS プロパティを選択すると,RDFS プロパティの属性がアトリビュートダイアログに表示される( 図 37 , 図 38 , 図 39 ).アトリビュートダイアログ左側のリストには,「基本」,「ラベル」,「コメント」,「範囲」,「インスタンス」,「上位プロパティ」項目が表示される.「基本」,「ラベル」,「コメント」の編集項目はRDFSクラスと同様である.「基本」のリソースタイプは,「設定」ダイアログのプロパティクラスリストから追加および削除を行うことができる.「範囲」にはRDFS プロパティの定義域および値域をクラスエディタから選択できる( 図 37 ).「インスタンス」には選択したRDFS プロパティを有するRDF リソースのリストが表示される( 図 38 ).リスト中の項目をクリックした際の動作は,RDFS クラスの場合と同様である.「上位プロパティ」には選択したRDFS プロパティの上位プロパティが表示される( 図 39 ).
リソース検索ダイアログ¶
リソース検索ダイアログでは,RDF エディタ,クラスエディタ,プロパティエディタ内に定義されているRDF(S) 要素の検索を行うことができる. 図 40 にリソース検索ダイアログを示す.「グラフタイプ」内の「RDF」,「クラス」,「プロパティ」チェックボックスのいずれか一つを選択し,検索範囲を設定する.「URI」テキストフィールドに検索したいURI を入力すると,「グラフタイプ」内で選択されたチェックボックスの検索範囲内でリソースを検索する.該当するリソース一覧が, 図 40 下部の「検索結果」リストに表示される.「検索結果」リストの項目を選択すると,選択したリソースを含むエディタ内のノードへジャンプし,アトリビュートダイアログにそのリソースの属性が表示される.「ラベル」と「コメント」テキストフィールドには,それぞれ,「rdfs:label」プロパティ値と「rdfs:comment」プロパティ値を対象に検索を行うことができる.表示方法は,「URI」テキストフィールドにおける検索と同様である.
名前空間テーブル¶
名前空間テーブルでは,名前空間URI を名前空間接頭辞に置換して表示するために,名前空間接頭辞と名前空間URI の管理を行う. 図 41 に名前空間テーブルのスクリーンショットを示す.「接頭辞」テキストフィールドに名前空間接頭辞を,「名前空間」テキストフィールドに名前空間URI を入力して,「追加」ボタンを押すと名前空間接頭辞と名前空間URI の対応がテーブルに追加される.対応を削除したい場合には,削除したいテーブルの行を選択し,「削除」ボタンを押す.「有効」チェックボックスをチェックすると,URI表示にしている場合に名前空間URI が名前空間接頭辞で置換される.
「有効」チェックボックスのチェックをはずすと名前空間接頭辞が名前空間URI に置換される.RDF(S) 要素のURI を入力する際に名前空間テーブルが参照される.RDF(S) 要素のURI を入力するためには,名前空間接頭辞とID(ローカル名)を入力する必要がある.名前空間テーブルに登録されている名前空間接頭辞をコンボボックスから選択することができる.入力したいURI の名前空間URI および,その名前空間接頭辞をあらかじめ名前空間テーブルに登録する必要がある.名前空間接頭辞を選択すると対応する名前空間URIが「名前空間」ラベルに表示される.
削除ダイアログ¶
削除対象のRDFSクラスを,RDFリソースのタイプまたはRDFプロパティの定義域または値域が参照している場合,そのRDFSクラスを削除すると整合性を保つことができない.RDFプロパティが削除対象のRDFSプロパティを参照している場合も同様である.これらの場合,RDF(S)コンテンツ管理機能によって, 図 42 に示す「削除」ダイアログが表示される. 図 42 上部の「削除」リストには,削除対象のRDFSクラスのうち,削除すると整合性を保つことができないRDFSクラスまたはRDFSプロパティのリストが表示される. 図 42 下部の参照リスト内の「RDF」タブには,削除対象のRDFSクラスをタイプとして参照しているRDFリソースのリストまたは,削除対象のRDFSプロパティを参照しているRDFプロパティのリストが表示される.「プロパティ」タブには,定義域または値域として,削除対象のRDFSクラスを参照しているRDFSプロパティの一覧が表示される.参照リストの「削除」チェックボックスは,RDFSクラスまたは,RDFSプロパティの参照をやめるかどうかの決定に用いる.「削除」チェックボックスをチェックした状態で「適用」ボタンをクリックすると,削除対象のRDFSクラスまたはRDFSプロパティへの参照がたたれる.「削除」チェックボックスのチェックをはずした項目については,「適用」ボタンを押したときに整合性のチェックを行う.「全選択」ボタンは,すべての「削除」チェックボックスにチェックをつける.「全解除」ボタンは,すべての「削除」チェックボックスのチェックをはずす.「反転」ボタンは,現在チェックされているものとされていないものを反転する.「ジャンプ」ボタンは,選択したリソースへジャンプする.RDFリソースのタイプ,定義域,値域を変更したい場合は,ジャンプボタンで該当するリソースへジャンプして変更を行うことができる.
インポートダイアログ¶
インポートダイアログでは,RDF/XML, N3, N-Triple, Turtle 形式で記述されたRDF(S)文書をMR3 にインポートすることができる. 図 43 にインポートダイアログのスクリーンショットを示す.また,以下ではインポートダイアログの各部分( 図 43 内の 1 から 13)について説明する.
- コンテナリスト
- RDF,N3, N-Triple,Turtle 形式で記述されたRDF(S) 文書が保存されたフォルダまたはURI のリストを表示する.
- フォルダ追加
- 「1. コンテナリスト」にフォルダを追加する.
- URI 追加
- 「1. コンテナリスト」にURI を追加する.
- 削除
- 「1. コンテナリスト」内の選択したフォルダまたはURI を削除する.
- 構文
- インポートしたいRDF(S) 文書の構文(RDF/XML, N3, N-Triple, Turtle) を選択する.
- データタイプ
- インポートしたい文書のタイプ(RDF, RDFS, OWL) を選択する.
- インポート方法
- 編集中のRDF(S) コンテンツにインポートしたいRDF(S) 文書の内容をマージするか,または,編集中のRDF(S) コンテンツをインポートしたいRDF(S) 文書の内容に置換するかを選択する.
- 検索
- 「検索」テキストフィールドに入力したキーワードによって,「9. インポートファイル」内に表示されているファイルを絞り込む.
- インポートファイル
- 「1. コンテナリスト」内で選択されたフォルダ内のファイル一覧を表示する.
- 拡張子
- 拡張子によって,「9. インポートファイル」内に表示されているファイルを絞り込む.
- 再読み込み
- 「1. コンテナリスト」で選択されているフォルダの内容を再読込し,最新のファイル一覧を「9. インポートファイル」に表示する.
- インポート
- 設定した条件(構文,データタイプ,インポート方法,インポートファイル)でRDF(S) 文書をMR3 にインポートする.
- 取消し
- インポートを中止し,インポートダイアログを閉じる.
エクスポートダイアログ¶
エクスポートダイアログでは, MR3 で構築したRDF(S) データグラフをRDF/XML, N3, N-Triple, Turtle 形式でRDF(S) 文書にエクスポートすることができる. 図 44 にエクスポートダイアログのスクリーンショットを示す.また,以下ではエクスポートダイアログの各部分( 図 44 内の1 から8)について説明する.
- 構文
- RDF(S) 文書としてエクスポートしたい構文(RDF/XML,N-Triple,Turtle,N3 など)を選択する.
- データタイプ
- 各チェックボックスでチェックされたエディタ内のデータグラフをRDF(S) 文書にエクスポートする.(例:クラスとプロパティにチェックをつけた場合,クラスエディタとプロパティエディタ内のデータグラフをRDF(S) 文書にエクスポートする.)
- オプション
- 「Encode(UTF-8)」チェックボックスにチェックをいれた場合,エクスポート時にURI の規則を定めるRFC3986 に基づいて,各要素のURI 文字列に含まれる非予約文字データをURLエンコードする.「Selected」チェックボックスにチェックをいれた場合,範囲選択されているサブデータグラフをエクスポートする.「Abbrev」チェックボックスにチェックをいれた場合,省略表記方法でエクスポートする.「XMLbase」チェックボックスにチェックをいれると,XMLBase 宣言がRDF(S) 文書内に追加される.
- ファイル
- 設定した条件(構文,データタイプ,オプション)で,RDF(S) 文書にエクスポートする.
- 画像
- 「3. データタイプ」の「RDF」,「クラス」,「プロパティ」チェックボックスのうちどれか1 つを選択し,「画像」ボタンを押すと,選択されたエディタのデータグラフをpng 形式でファイルに保存することができる.
- 再読み込み
- 設定した条件で最新のデータグラフを「8. ソース表示」に表示する.
- 取消し
- エクスポートを中止し,エクスポートダイアログを閉じる.
- ソース表示
- エクスポートされるRDF(S) 文書の内容が表示される.
設定ダイアログ¶
設定ダイアログでは,基本,ディレクトリ,プロキシ,メタクラス,レイアウト,レンダリングについて設定を行うことができる.
基本¶
設定ダイアログの「基本」項目( 図 45 )では,言語,UI 言語,出力エンコーディング,フォント,ベースURI,ログファイルの設定ができる.言語はラベル表示を行う際に優先して表示する言語を設定できる.UI 言語は,メニューなどに表示する言語を設定できる.言語は,ja(日本語),en(英語),zh(中国語)を選択できる.出力エンコーディングは,エクスポート時にRDF(S)文書を保存するファイルエンコーディングを設定する.フォントは,各エディタ内のノード内の文字列を表示する際のフォントを設定する.ベースURI には,エクスポート時の初期の名前空間URI を設定する.ログファイルには,MR3 使用中の各種ログを保存するファイルを設定する.
ディレクトリ¶
設定ダイアログの「ディレクトリ」項目( 図 46 )では,作業ディレクトリ,プラグインディレクトリ,リソースディレクトリを設定ができる.作業ディレクトリには,インポートダイアログにおいて,RDF(S)文書を含むフォルダを選択する際に最初に開くフォルダを設定する.プラグインディレクトリには, MR3 のプラグインが保存されているフォルダを設定する.リソースディレクトリは, MR3 のプロパティファイル(メニューなどに表示する言語ごとの設定ファイル)が保存されているフォルダを設定する.
プロキシ¶
設定ダイアログの「プロキシ」項目( 図 47 )では,プロキシサーバを利用している場合に,プロキシサーバのホスト名とポート番号の設定を行うことができる.インポートダイアログからURI を指定して,RDF(S)文書をインポートする場合に設定が必要となる場合がある.
メタクラス¶
設定ダイアログの「メタクラス」項目( 図 48 )では,「クラスクラス」および「プロパティクラス」の設定をすることができる.「クラスクラス」に設定したクラスをrdf:typeプロパティの値とするリソースを, MR3 はクラスとして認識し,クラスエディタにインポートすることができる.同様に,「プロパティクラス」に設定したクラスをrdf:type プロパティの値とするリソースを, MR3 はプロパティとして認識し,プロパティエディタにインポートすることができる.
初期状態では,「クラスクラス」にはrdfs:Class が設定されている.また,「プロパティクラス」には,rdf:Property が設定されている.owl:Class やowl:ObjectProperty をタイプとするリソースを,クラスまたはプロパティとしてMR3 にインポートしたい場合には, 図 48 の「Class Class」タブまたは「Property Class」タブで設定を行う
拡張機能¶
「ツール」メニューの「拡張機能」を選択すると,図 51 に示すダイアログが表示される. 「拡張機能」には,設定ダイアログの「ディレクトリ」項目のプラグインディレクトリに指定したディレクトリに含まれる jarファイルを読み込んで,プラグインリストを表示する.プラグインを選択すると,説明が画面下部に表示され, 「実行」ボタンを押すと,プラグインが実行される.プラグイン作成方法については,プラグイン開発 参照いただきたい.
整合性検証¶
「ツール」メニューの「整合性検証」を選択すると,図 52 に示すダイアログが表示される. 「整合性検証」では,Jenaの org.apache.jena.reasoner.ValidityReport を利用し,リテラルのデータ型がプロパティの値域の定義に基いて定義されているかどうかなどを検証することができる.
プロジェクト情報¶
「ツール」メニューの「プロジェクト情報」を選択すると,図 53 に示すダイアログが表示される. 「プロジェクト情報」には,現在のプロジェクト名,インポート時間,モデルのリソース数,モデルのリテラル数,モデルのステートメント数, クラス数,プロパティ数,すべてのリソース数,すべてのリテラル数,すべてのステートメント数が表示される.
メニュー¶
ファイルメニュー¶
ファイル->新規
- MR3 のプロジェクトを新規に開く.現在の作成中のプロジェクトは,保存するか破棄するかを選択する.
ファイル->開く
- MR3 のプロジェクトファイルを開く.
ファイル->保存
- MR3 のプロジェクトファイルを保存する.
ファイル->名前をつけて保存
- MR3 のプロジェクトファイルを別名で保存する.
ファイル->インポート
- インポートダイアログを表示.
ファイル->エクスポート
- エクスポートダイアログを表示.
ファイル->終了
- プログラムを終了する.
編集メニュー¶
編集->検索
- リソース検索ダイアログを表示する.
編集->選択->RDFエディタのノードをすべて選択
編集->選択->クラスエディタのノードをすべて選択
編集->選択->プロパティエディタのノードをすべて選択
表示メニュー¶
表示->URI表示
- 各エディタのノード内に表示されるラベルを,URI形式で表示する.名前空間テーブルで接頭辞の表示を有効にしている場合,名前空間を接頭辞に置き換えて表示する.
表示->ID表示
- 各エディタのノード内に表示されるラベルを,ID形式で表示する.
表示->ラベル表示
- 各エディタのノード内に表示されるラベルを,rdfs:labelで定義されたラベルで表示する.rdfs:labelが定義されていない場合には,URI形式で表示する.
表示->リソースタイプの表示・非表示
- RDFリソースのタイプ(矩形)の表示・非表示を行う.
表示->ツールチップの表示・非表示
- ツールチップの表示・非表示を行う.
表示->グループ内ノードの選択許可
- グループ化されている場合にその中のノードの選択可否を行う.
表示->グラフレイアウト->RDF
- RDFエディタの自動レイアウトを実行する
表示->グラフレイアウト->クラス
- クラスエディタの自動レイアウトを実行する
表示->グラフレイアウト->プロパティ
- プロパティエディタの自動レイアウトを実行する
ウィンドウメニュー¶
ウィンドウ->RDFエディタオーバービューを表示
- RDFエディタの全体を表示する.表示されるウィンドウ内の赤色の四角をドラッグすることで,RDFエディタ内の移動を行うことができる.また,四角の右下部分をドラッグして,四角の大きさを変更することにより,拡大・縮小を行うことができる.大きくすると拡大し,小さくすると縮小する.
ウィンドウ->クラスエディタオーバービューを表示
- クラスエディタの全体を表示する.機能は,RDFエディタと同様.
ウィンドウ->プロパティエディタオーバービューを表示
- プロパティエディタの全体を表示する.機能は,RDFエディタと同様.
ウィンドウ->RDFエディタを前面に表示
ウィンドウ->クラスエディタを前面に表示
ウィンドウ->プロパティエディタを前面に表示
ウィンドウ->アトリビュートダイアログを表示
ウィンドウ->名前空間テーブルを表示
ウィンドウレイアウト->ウィンドウ再配置(C,P,R)
- クラスエディタ,プロパティエディタ,RDFエディタを表示
ウィンドウレイアウト->ウィンドウ再配置(C,R)
- クラスエディタとRDFエディタのみを表示
ウィンドウレイアウト->ウィンドウ再配置(P,R)
- プロパティエディタとRDFエディタのみを表示
ツールバー¶
アイコン | 機能 |
---|---|
MR3 のプロジェクトを新規に開く | |
MR3 のプロジェクトファイルを開く. | |
MR3 のプロジェクトファイルを保存する. | |
MR3 のプロジェクトファイルを別名で保存する. | |
インポートダイアログを表示する | |
エクスポートダイアログを表示する | |
リソース検索ダイアログを表示する | |
RDFエディタを前面に表示する | |
クラスエディタを前面に表示する | |
プロパティエディタを前面に表示する | |
アトリビュートダイアログを前面に表示する | |
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クラス,RDFエディタを表示する | |
プロパティ,RDFエディタを表示する | |
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プラグイン管理ダイアログを表示する | |
プロジェクトの情報を表示する | |
ログコンソールを表示する | |
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MR3 について表示する |
ショートカットキー¶
全体で使えるショートカットキー¶
- Ctrl-N
- MR3 のプロジェクトを新規に開く.現在の作成中のプロジェクトは,保存するか破棄するかを選択する.
- Ctrl-O
- MR3 のプロジェクトファイルを開く.
- Ctrl-S
- MR3 のプロジェクトファイルを保存する.
- Ctrl+Shift+S
- MR3 のプロジェクトファイルを別名で保存する.
- Ctrl+Q
- メニューの終了のショートカット
- Alt+R
- RDFエディタを前面に表示
- Alt+C
- クラスエディタを前面に表示
- Alt+P
- プロパティエディタを前面に表示
- Alt+A
- アトリビュートダイアログを前面に表示
- Alt+S
- ソースダイアログを前面に表示
- Alt+N
- 名前空間テーブルを前面に表示
- Alt+F
- リソース検索ダイアログを前面に表示
エディタ内で使えるショートカットキー¶
- Ctrl-A
- エディタ内のノードをすべて選択する
- Delete
- エディタ内の選択されたノードを削除する
- Ctrl-C
- エディタ内の選択されたノードをコピーする
- Ctrl-X
- エディタ内の選択されたノードをカットする
- Ctrl-V
- コピーまたは,カットされたノードをエディタにペーストする